マンチェスター・シティの財務を追ってきた元調査報道記者が、末期がんの妻を見舞う最中に自宅住所をさらされた体験を長文で公開。r/soccerでは個人の悲劇への反応が、国家がクラブを所有することの是非へと広がり、重い空気で議論が続いている。
筆者は当時、メール・オン・サンデー紙でシティの財務問題などを調べる調査報道記者だった。2020年、コロナ第1波で面会が制限されたホスピスで、末期の脳腫瘍で体が動かない妻のヘレンさん (47歳になったばかり) を窓越しに見舞っていたところ、編集幹部から電話が入る。自宅住所がシティのファンによってツイッターに投稿され、脅しが添えられているという知らせだった。会社は注意義務の問題として削除を手伝うと言い、警察への相談も勧めたという。
筆者によれば、記事を出すたびにシティファンの集中攻撃を受ける状態が6年続いており、住所の公開は一段階上の事態だった。スレタイトルでは、妻が亡くなりゆく中で10代の娘2人を案じていたこと、殺害予告が相次いだことにも触れている。ここまでは筆者自身の主張と体験談で、スレの反応はその先の議論に移っていく。
コメントで目立つのは、ファン個人への怒りより「国家がクラブを持つこと」への批判だ。あるファンは、ノエル・ギャラガーのインタビューで、リッキー・ハットンが買収後にシティを応援しなくなったと語られていたことを挙げ、クラブは本来ファンのものだと述べた。ニューカッスルを例に、国家所有に抵抗が少ないファンが多いと指摘する声もあり、別のコメントでは、ニューカッスルのファンが「まだ不正をしていないから問題ない」と擁護した場面が紹介された。
巷の声
- 「シティのファンは、この期に及んでも自分たちが被害者だという顔をするだろう。」
- 「脅し、恐喝、買収と、やり口はマフィアそのもの。シティのファンは親玉に使われる末端の兵隊にすぎず、今週もオーナー側が資金を引き上げると匂わせたそうだ。」
- 「ノエル・ギャラガーが、ハットンは買収後に『もう自分のクラブじゃない』と応援をやめたと話していたのを思い出す。クラブは本来ファンのものなのに、オーナーが来て100年の歴史を壊せてしまう。」
- 「少数派だが、自分のクラブに起きたことに絶望しているシティファンも見かける。それが見られるのは救いだ。」
- 「解散に値するクラブがあるとすれば、ボルドーではなくシティのほうだ。」
一人の記者の私的な体験談から始まったスレは、結局「国家がクラブを持ってよいのか」という、解決の見えない議論に行き着いた。
用語・人名メモ
- メール・オン・サンデー — イギリスの日曜紙。筆者は当時ここで調査報道記者として働いていたと書いている。
- ニューカッスル — イングランド北東部のクラブ。スレでは国家所有の例として引き合いに出されている。
- ボルドー — フランス南西部の都市のクラブ。コメントでは、解散すべきなのはこちらではなくシティだという文脈で名前が出た。
巷の声は r/soccer のスレからの意訳。出典: 元スレ (reddit)