Reddit で 1992/93 シーズン (プレミアリーグ発足) 以降のクラブ別移籍総額ランキングをまとめたグラフが話題になり、集計方法の妥当性やチェルシーのオーナー間の責任の押し付け合いについて議論が広がった。ニュース性のある一報というより、現地ファンの間でのデータ談義といった温度感の話題。
投稿されたのは、プレミアリーグが発足した 1992/93 シーズンから現在までの各クラブの移籍金総額を積み上げたグラフ。単純に「歴代でどのクラブが一番使ったか」を示す内容だが、コメント欄では早々に「そもそも90年代のデータを含める意味があるのか」という指摘が出た。当時は移籍金の規模自体が今とは桁違いに小さく、1993年当時最大級とされた移籍でも、ロイ・キーン (元アイルランド代表 MF、ノッティンガム・フォレストからマンチェスター・ユナイテッドへ移籍) の移籍金は400万ポンド (約7億6000万円) 未満だったという。現在のプレミアではこの額は主力級選手の年俸にも満たない水準で、90年代の数字を今の高騰した相場と同じグラフに乗せること自体がミスリードだ、という主張だ。
一方で「プレミアリーグ発足」という区切りは恣意的でなく分かりやすい基準だ、という反論もあった。どこで線を引いても「あのクラブに有利/不利な切り方だ」という不満は出るため、リーグ発足という客観的な節目を使うのは妥当だという意見。ただし議論はさらに進み、「総額そのものより、そのシーズンのリーグ全体の支出に占める割合で見るべきだ」という提案が支持を集めた。単純な総額だと近年の物価高騰・放映権収入増でどのクラブも数字が膨らむため、真に「身の丈を超えて買い漁った」クラブが見えにくくなる。具体例として挙がったのが、2000年前後に規模以上の大型補強で知られたボルトンやブラックバーンと、堅実なデータ分析型の補強で知られる中堅クラブ、ブレントフォード (ロンドン西部の中堅クラブ) の比較。総額ベースの単純比較では、地道な補強を続けてきたブレントフォードが「金満クラブ」のように見えてしまう歪みが生じる、という指摘だった。
この流れで話題は自然とチェルシーのオーナー体制にも及んだ。チェルシーは2022年にアメリカの投資グループが買収して以降、共同オーナーとしてトッド・ボーリー (買収以降クラブの「顔」として表に立つことが多いアメリカの実業家) と、投資会社クリアレイク・キャピタルの共同創業者ベハダッド・エグバリが名を連ねる。コメント欄では、実際の発言力や責任はエグバリにも同等以上にあるはずなのに、批判の矛先はほぼボーリー一人に集中しがちだという指摘があった。理由として、いかにも「典型的な太っちょアメリカ金満経営者」然としたボーリーの見た目や名前の響きの方が、批判する側にとって「叩きやすい」からではないか、という半ば皮肉交じりの分析でファンの意見が一致していた。
巷の声
- 「エグバリ (共同オーナーの一人) が責任を全部トッドに押し付けてる構図が笑える」
- 「トッドの方が叩く側からすると盛り上がるんだよ、いかにもなアメリカの金満社長ってビジュアルだから」
- 「トッドって名前自体がもう嫌われ役っぽい響きしてる」
- 「90年代のデータ入れる意味ある?今の移籍金額に比べたら誤差みたいなもんでしょ」
- 「総額じゃなくて、そのシーズンのリーグ全体の支出に対する割合で見るべき。じゃないとブレントフォードが金で成り上がったクラブみたいに見えちゃう」
用語・人名メモ
- トッド・ボーリー — 2022年にチェルシーを買収した投資グループの共同オーナーの一人。アメリカの実業家で、買収以降クラブの「顔」として表に立つことが多い
- ベハダッド・エグバリ — 投資会社クリアレイク・キャピタルの共同創業者で、チェルシーのもう一人の共同オーナー。ボーリーより表舞台に出ないが同等以上の発言力を持つとされる
- ロイ・キーン — 1993年にノッティンガム・フォレストからマンチェスター・ユナイテッドへ移籍した元選手。当時400万ポンド未満と、その時代では最大級の移籍金だった
- ボルトン/ブラックバーン — 2000年前後に、クラブの規模に見合わない大型補強を行ったことで知られるプレミアの中堅クラブ
- ブレントフォード — ロンドン西部の中堅クラブ。派手な大型移籍でなく、データ分析を駆使した堅実な補強で知られる
移籍金インフレが続く限り、この手の歴代ランキングの見せ方を巡る論争は今後も繰り返されそうだ。
巷の声は r/soccer のスレからの意訳。出典: 元スレ (reddit)